教育現場の多様性に応える 吸音ブースで子どもたちが伸び伸びと過ごせる空間を

発達の凸凹のある子どもたちが快適に過ごせる空間へ

オフィスをはじめさまざまな空間で、「ウェルビーイング」の実現を目指す動きが高まっています。福西電機は、音・空気・光の工夫や、心理的に影響を与える演出といった面から、誰もが生き生きと過ごせる空間づくりのお手伝いをしています。

兵庫県尼崎市にある七松幼稚園様では、「音」の課題を抱えていました。毎日300人以上の子どもたちが元気いっぱいに登園し、笑い声、歌声、泣き声などが園内のいたるところから聞こえてきますが、こうした音に敏感な子どももいます。
「発達の凸凹のある子どもたちが、お互いにストレスなく快適に過ごせる空間をつくれないか」という相談を受け、吸音ブース「LIVREATH（リヴレス）」を制作している株式会社Luciと一緒に課題の解決へ取り組むことになりました。設計・製図、強度計算をLuciが担当し、空間のデザインや色味は2社で協力するという体制を組み、プロジェクトが始まりました。

幼稚園ならではのニーズに対応

Luciの担当者とともに七松幼稚園様を訪問し、デモンストレーションにより、吸音ブースでどれくらい騒音を遮断できるか体感していただきながら、導入に向けて詳細な課題をヒアリングしました。吸音性能には満足いただけたものの、児童が安心して使用できるよう安全性・耐久性を高めることはもちろん、幼稚園の空間に合わせながら移動しやすさへのニーズにも応える必要があること、子どもと先生が一緒に入れて「落ち着ける場」とする必要があることがわかりました。
そこで、強度計算を綿密に行い吸音ブースの角に丸みをもたせることでケガのリスクを抑え、エレベーターや扉の大きさを踏まえながら簡単に組み立てられる設計にすることで、レイアウト変更が発生しても手軽に移動できるようにしました。この「LIVREATH」の中で子どもと先生が過ごす様子が具体的に伝わるようイメージパースを作成して提案したところ、園長様や先生方の思い描いていたイメージと一致。そのまま設計・製図に取り掛かり、吸音ブースを導入することができました。

吸音ブースで教育現場の多様性を実現

現在、七松幼稚園様では2階にLIVREATHを設置し、フリースペースとして開放しています。保育室の雑踏がしんどくなった子どもがクールダウンする場として利用するのはもちろん、子どもと先生だけでなく、子ども同士が一緒に入り落ち着いて遊ぶ場としても機能しています。移動や組み立てが簡単にできるので、子どもたちの過ごし方に合わせて設置場所を変えることもあります。

教育にも、多様性が求められる時代。先生方からは、子どものニーズに合わせてデザイン・設計したLIVREATHの導入によって落ち着いた環境を提供できるようになり、個々の学びを進められる機会になると喜びの声をいただいています。また、安全性・耐久性の面でも、角を丸く滑らかに加工したことで子どもが足をぶつけたときもケガの心配がないこと、強度計算により子どもがブースに乗っても破損の危険がないことで、さらに親しみやすいものになっていると評価いただきました。

「音」を通じてウェルビーイングな空間づくりに貢献

個性や多様性を尊重する意識が高まるとともに、使う人の特性に配慮した環境づくりのニーズが高まっています。また職場においても、働き方の多様化や生産性向上の観点から、ウェルビーイングを起点とした空間づくりが重視されるようになっています。
今回のような吸音ブースは、オフィスでは一人用のweb会議スペースや集中して作業するためのスペースとして、コワーキングスペースでは電話時の会話から情報漏洩を防ぐためのスペースとして活用いただいています。また、物流施設ではドライバーの方へ静寂な仮眠空間を提供するために導入いただくこともあり、さまざまな空間のウェルビーイングに貢献しています。

福西電機は今後も、ウェルビーイング提案のコンセプトの一つとしている「音の課題解決」を通じて、多くの人にとって快適で健康的な空間づくりができるようサポートしていきます。